Subject:
「エペソ人への手紙において、夫と妻、父と子の関係はどう表されているのか。」
From:
Mikuni Kanno
Date:
2010/01/14 6:56
To:
saiwainet@yahoogroups.jp

「エペソ人への手紙において、夫と妻、父と子の関係はどう表されているのか。」 菅野みくに 2010.1.13

 エペソ人への手紙では主に二つの関係が取り上げられている。一つは夫と妻の関係、もう一つは父と子の関係である。これらの関係をつなぐキーワードは何なのだろうか。

 まず、夫と妻の関係について見てみる。
この関係において土台となっているのはキリストと教会である。キリストはかしらであり、教会はからだである(1:22-23)。同じように夫は妻のかしらであり、妻は夫のからだである。

妻は主に従うように、夫に従い(5:22)、夫は妻を愛さなければならない(5:25)。これは教会がキリストに従い、キリストが教会を愛されたのと同じである。キリストの愛とは、教会のためにご自分をささげられ、十字架にかかって死んでくださったということである。
夫には妻に対する「愛」、妻には夫に「従うこと」が要求されている。

 次に、父と子の関係について見てみる。
子どもたちは、主にあって両親に従わなければならない。この命令は、十戒の第五戒で命じられている命令であって、パウロは第一の戒めであると言っている(6:2)。この命令を守ることによって、「しあわせになり、地上で長生きする。」という約束が与えられている。父たちは、子どもをおこらせず、主の教育と訓戒によって育てなければならない(6:4)。

両親に従うとは、光の子どもらしく歩むことである(5:8-)。光の子どもは、善意、正義、真実という実を結ばなければならない。パウロは神様様のことを「栄光の父」と呼んでいる(1:17)。この手紙には神様様を「父」と呼んでいる所が9箇所もある(1:2,3,17,2:18,3:15,16,4:6,5:20,6:23)。これを見る時にも、神様様と私たちの関係は父と子の関係で表せることが分かる。

 パウロはエペソ人への手紙の始まりから、妻とされること、子とされることが御霊による祝福であることを強調している(1:3-6)。「御前で聖く、傷のない者とする」という言い方は5章27節で教会(妻)について使われている。これによって、私たちがキリストの妻となることが、世界の基の置かれる前からのご計画であることが分かる(1:4)。また、神様様は私たちをキリストによってご自分の子にしようとされた。これもまた、神様様が愛を持ってあらかじめ定めておられたことである(1:5)。

 結局、夫と妻、父と子の関係において重要なのは、御霊による「一致」である。夫が妻を愛し、妻が夫に従うということは一つになるということ、つまり一心同体となるということである(5:31)。父が子どもを主の教育によって育て、子どもが父に従うということも愛の関係によって成り立つ。
キリストの妻である私たち、神様の子どもである私たちは、謙遜と柔和の限りを尽くし、寛容を示し、愛をもって互いに忍び合い、平和のきずなで結ばれて御霊の一致を熱心に保たなければならない(4:2-3)。