Subject:
ピリピ人への手紙「私の兄弟、同労者、戦友」
From:
Shinya Daniel Kanno
Date:
2010/01/29 14:10
To:
Saiwainet

「私の兄弟、同労者、戦友」 菅野審也 2010.01.29

ピリピ人への手紙には、非常に目立ち、キーワードとなることばがある。それ
は、「喜び」である。このことばは17回出てきて、「喜びなさい。もう一度言い
ます。喜びなさい」という誰もが知っている有名な箇所も、この手紙の中にあ
る。では、パウロの喜びは何で、ピリピの人たちにどのように、また何を喜ぶよ
うにと命じているのか。

ピリピ人への手紙全体は四つの段落に分けることができ、「喜びなさい」という
テーマとともに、「福音のための戦い」というテーマが全体を貫いている。
最初の段落では、どのような苦しい、死ぬような状態にあっても、福音が前進し
ていることをパウロは喜んでいる。また、次の段落では、一致を保つために、命
を捨ててまで戦うという話の中で、キリストの模範、テモテとエパフロデトの模
範が示されている。
そして、三つ目の段落では、何が勝利であるのか、人間的なものではなく、霊的
な、復活の栄光を得るために私たちは戦っているということを説明し、最後の段
落で、喜びなさい。そうすれば、平和の神はともにいてくださると彼らを励まし
ている。

パウロはこの手紙でピリピの人たちと共に同じ戦いを経験していることを何より
も喜んでいる。そして、彼らを自分の戦友と呼んでいる(1:30, 2:25, 4:3)。そ
のため、手紙の出だしで、ピリピの人たちが福音を広めることにあずかってきた
ことを喜び、そして最後にも、贈り物でパウロを満たしてくれたことを喜んでい
る。苦しい状態にある人たちに対して贈り物を送るということは、キリストに対
してしたことであって、パウロと共に同じ戦いを戦っているということである。

その戦友たちに対してパウロは「愛が真の知識とあらゆる識別力によって、いよ
いよ豊かになり、真にすぐれたものを見分けることができるようになりますよう
に。」、「キリストの日には純真で非難されるところがなく、イエス・キリスト
によって与えられる義の実に満たされている者となり、神の御栄えと誉れが現わ
されますように。」という二つの祈りをもって励まし、共に福音のための戦いを
「喜びなさい」という武器をもって戦うようにと励ましている手紙である。

-- Shinya Daniel@KannoFamily  mailto:+shinya@kanno.com :)