Subject: ピリピ人への手紙における「同労者の働き」 |
From: "keiya@kanno.com" <keiya@kanno.com> |
Date: 2010/02/02 10:17 |
To: saiwainet@yahoogroups.jp |
+ケイヤです。 ------------------------- ■導入 ピリピ人への手紙は「パウロとテモテ」から送られた手紙である。異邦人の教会に向けた四つの手紙では、コロサイ人への手紙とともに、共著である。 この挨拶からも分かるように、この手紙におけるテモテの役割は重要なである。また、パウロの同労者として、エパフロデト、ユウオデヤ、スントケ、スズゴス、クレメンスなどへも言及されている。 さらにまた、これらの人々と共に強調されているのは、ピリピの教会の監督、執事、聖徒たち自身である。彼らがパウロの同労者として喜ばれる働きをしたので感謝の手紙が送られているのである。 それでは、神に喜ばれる同労者の働きとは何であるのか。 ■パウロの働き 同労者たちの働きを見る前に、パウロ自身の働きが何であるのかを見なければならない。パウロが行っていることは、そのまま共に働く者たちのやるべきことだからである。 まず覚えるべきことは、パウロの働き自体が、主イエス・キリストの同労者として行っているものだということである。キリストは、ご自分の弟子たちを使わして、ご自分で始められた福音の働きを完成された。 パウロの働きは、投獄される可能性があり、さらには死ぬこともあり得るが、それは主イエス・キリストのなされたことである。キリストは神の子であられたが、ご自分の兄弟を救うために、十字架で死なれたのである (2:6-11)。 パウロは、福音のために、この世において誇れるすべてのものを捨て、キリストにある望みを得た(3:8)。その望みは復活であり、キリストが十字架で死に、復活されたように、パウロもキリストと同じ死の状態になり、そこから復活することを求めている(3:10-12)。 福音の使徒であるパウロは、「キリスト・イエスのしもべ」 (1:1)であり、キリストに似たものとしての働きをしているのである。 ■テモテの働き パウロがこの手紙を書いている時点で、投獄されており、ピリピの教会に会いに行きたいが、すぐには行けない状態にある。その中で、テモテを自分の代わりに使わそうとしている。 テモテは、パウロと同じ心を持ち、キリスト・イエスを求め、パウロと一緒に福音に奉仕してきたので、彼を通してピリピの教会の状態を知りたいとパウロは願っている (2:19-24)。彼こそはパウロの同労者であり、同じ心で、同じ目的のために働いているのである。 ■エパフロデトの働き パウロは、テモテを使わすと同時に、ピリピの教会から使わされたエパフロデトを送ろうとしている。 エパフロデトは、ピリピの教会からの使者であり、パウロの苦しむ時に、仕えていた。彼はピリピの教会の代表、教会の同労者であると同時に、パウロの同労者ともなり、いのちの危険をおかしてキリストの福音のために働いた (2:25-30)。彼もテモテと同じように、パウロの重要な同労者であった。 ■ユウオデヤ、スントケ、スズゴス、クレメンスの働き エパフロデトの他にも、ピリピの教会にはユウオデヤ、スントケ、スズゴス、クレメンス等の福音のために熱心に働いている者たちがいる。彼らに対して、パウロは、一致して働くことを求め、願っている。 ■ピリピの教会の働き この手紙では、上記のような人々の同労の働きについて書かれているが、一番重要なのは、ピリピの教会の働きである。 この教会は、パウロと共に苦しみ、困難を分け合った。彼ら自身、パウロに献金できる物をたくさん持っていたわけではないが、何度もパウロを助けた (4:14-20)。 その教会に対して、主にあって一致し、喜ぶようにと求めている。彼らの働き自体はすばらしいものであったが、主イエス・キリストの十字架に目を留めるということから離れてしまい、またいつも喜ぶということを忘れてしまっていた(3:17-21)。しかし、喜びを持って、パウロを助ける時に本物の栄光の富が与えられるのである。 ■結論 これらの人々の働きを見る時に、主イエス・キリストの十字架の道を歩むことが、神に喜ばれる働きであるということを教えられる。パウロはその道を大胆に歩み、彼の同労者たちも同じように歩んでいる。 これは、福音のための戦いという観点でまとめられる。その目で見ると、戦いについての言及は、この手紙に多い。パウロは、エパフロデトを「戦友」と呼び (2:25)、ピリピの教会の働き人が戦っていることを喜んでいる (4:3)。 福音のために戦うことは、投獄、さらには死をともなうことである。それで、主イエス・キリストにある信仰に立ち、必ず復活による勝利が与えられることを信じなければ、負けてしまうのである。テモテはパウロと一緒に戦い、エパフロデトは、キリストのために死に直面するまでの戦いをした。 その中にあって、この世にある栄光ではなく、復活の栄光を求め、一致して戦わなければならないのである。この戦いにあって、力強く働いていく秘訣が「喜び」であり、それによって、あらゆる境遇にあっても満ち足りるのである。 この手紙を読んだ私たちは、常に主イエス・キリストの福音の戦いにおいて、前線にいることを覚え、兄弟姉妹と一致して、真理の栄光のために戦い、喜びを持って、神の平和を求めなければならない。 -- +ケイヤ@カンノファミリー voice:080-3365-3181 mailto:keiya@kanno.com http://keiyakanno.com/