Subject: ピリピ人への手紙「私の兄弟、同労者、戦友」 |
From: Shinya Daniel Kanno |
Date: 2010/02/04 15:17 |
To: Saiwainet |
「私の兄弟、同労者、戦友」 菅野審也 2010.02.04 「喜びなさい」というテーマと「福音のための戦い」という二つのテーマが全体 を貫いているピリピ人への手紙。では、戦いの中にあるパウロにとって喜びは何 なのか。また、パウロはピリピの人たちにこの戦いをどのように戦うようにと励 ましているのか。 手紙全体は四つの段落に分けることができ、最初の段落では、どのよう苦しみの 中にあっても、福音が前進していることをパウロは喜んでいる。次の段落では、 一致して戦いなさいという話の中で、キリストの模範、テモテとエパフロデトの 模範が示されている。そして、三つ目の段落では、何が勝利なのか、人間的なも のではなく、復活の栄光を得るために戦っているということを説明し、最後の段 落で、喜びなさい。そうすれば、平和の神はともにいてくださると彼らを励まし ている。 このような手紙の中で、パウロは「喜びなさい」ということを非常に強調してい る。「喜ぶ」ということば自体も17回も出てくる。パウロの命令は、苦しいとき にこそ喜びなさいということで、かの有名な山上の説教の八つの幸いの八つ目で も「義のために迫害されている者は幸いです」と言われているとおりである。パ ウロはこのことを実際に行って、模範を示し、ピリピの人たちにも同じように福 音のための戦いを戦うように励ましている。苦しい時に喜ぶことこそ、あらゆる 境遇に対処する秘訣であり、この戦いを戦うための武器である。 このような戦いの中にあって、パウロはピリピの人たちが自分と同じ戦いを共に 経験していることを何よりも喜びとしている。そのため、彼らのことを自分の戦 友と呼び(1:30, 2:25, 4:3)、手紙の導入で、彼らが福音を広めることにあず かってきたことを喜び、最後でも、贈り物によって自分のことを満たしてくれた ことを喜んでいる。苦しい状態にある人たちにこのように贈り物を送るというこ とは、その人とともに同じ戦いを戦っているということになる。それほど献金を 送るということは大切なことである。 この戦友たちを、パウロは「愛が真の知識とあらゆる識別力によって豊かになる ように」、「義の実に満たされた者となって、神の御栄えと誉れが現わされるよ うに」という二つの祈り(1:9-11)をもって励ましているのである。-- Shinya Daniel@KannoFamily mailto:+shinya@kanno.com :)