Subject:
コロサイ人への手紙「真の知識とは」
From:
Mikuni Kanno
Date:
2010/02/08 20:46
To:
saiwainet@yahoogroups.jp

コロサイ人への手紙「真の知識とは」 菅野みくに 2010.02.08

   パウロが牢屋の中からコロサイの聖徒たち書いたこの手紙は、1:1-8が導入、4:2-18がまとめになっていて、内容は1:9-2:7、2:8-4:1と大きく二つに分けられる。コロサイの問題は、誤った教えに関するもので、パウロはこの世の幼稚な教えにだまされないようにと注意を促している。では、キリストにある真の知識とは何か。また、その知識を教えられた者はどのような行い、歩みをしなければならないのだろうか。

   真の知識は奥義という言葉に言い換えることができる。パウロは奥義を語っているために牢屋に入れられている。奥義は長い間隠されており、聖徒たちに表された。その奥義とは、主イエス・キリスト、栄光の望みのことである(1:26-27)。このキリストのうちに隠されているのが、「知恵」や「知識」という宝である(2:3)。つまり、真の知識とはキリストを知ることである。

   しかし、コロサイにはこの世の幼稚な教えを教えている人がいる。この教えはまことしやかな議論(2:4)、だましごとの哲学(2:8)、人間の戒めと教え(2:22)などとも定義されている。それらの教えはキリストに基づくものではない(2:8)。しかし、キリストとともに死ぬことによって、幼稚な教えから離れることになる(2:20)。反対に言えば、キリストとともによみがえらされ、新しくされた人は真の知識に至らなければならない(3:10)。

   真の知識を知った者は、深い同情心、慈愛、謙遜、柔和、寛容などを身に着け、互いに忍び合い、赦し合い、愛し合わなければならない(3:12-13)。具体的な歩みは3:18-4:1に書かれている。すなわち、妻たちは夫に従い、夫たちは妻を愛し、子どもたちは両親に従い、父たちは子どもをおこらせず、奴隷たちは主人に従い、主人たちは奴隷に対して正義と公平を示さなければならない。

   コロサイ人へ手紙はパウロの祈りによってまとめられる。彼は真の知識に満たされることと、主にかなった歩みをして実を結ぶことを祈っている。だから、私たちは真の知識を教えられたものとして、すべてのことを主イエス・キリストの御名によってなし、感謝して実を結ぶ歩みをしなければならない(3:17)。
「どうか、あなたがたがあらゆる霊的な知恵と理解力によって、神のみこころに関する真の知識に満たされますように。また、主にかなった歩みをして、あらゆる点で主に喜ばれ、あらゆる善行のうちに実を結び、神を知る知識を増し加えられますように。(1:9-10)」