＜主の日への備え＞

　テサロニケの手紙には「主の日」が何度か登場します。聖書の他の様々な箇所に基づいて考えれば、この「主の日」はAD70年のエルサレム陥落について書かれている事が分かります。当然、「AD70年に終わった出来事についての手紙だから現代の我々には関係無い」という訳は決してありません。そこで、我々にとって「主の日」への備えとは何なのかという観点から、この手紙の「主の日」について考えてみました。
　「主の日」が最初に出てくる第一テサロニケ５章では「主の日」が来るのは突然だが「その日が、盗人のようにあなたがたを襲うこと」はなく（５：４）、その日私たちは御怒りでは無く「救いを得る」（５：９）事が書かれています。
　第二テサロニケにある「主の日」についての説明も「主の日」に「心を騒がせるな」（２:２)、「悪を喜ぶすべての者がさばかれる」（２:１２）、「あなたがたは救いに選ばれた」（２:１３）といったように基本的に第一テサロニケと同じです。
　これらの内容は「御心が地上で行われるように」、「私たちが悪から救われるように」と「主の祈り」にそのまま登場しており、キリストが私たちに祈るように命じられた「主の祈り」が「主の日」と深い関係のある祈りであることが分かります。したがって、私たちにとって一番身近で具体的な主の日への備えとは、「主の祈り」をささげることなのです。

以上。