Subject:
テモテへの手紙第二「私のところに来てください」
From:
Shinya Daniel Kanno
Date:
2010/04/08 15:48
To:
Saiwainet

「早く私のところに来てください」 菅野審也 2010.04.08

パウロはテモテに宛てた手紙の最後で、5回もテモテに、自分のもとへ来るよう
にと願っている。では、なぜ、パウロはここまでテモテに会うことを望んでいる
のか。テモテにとってパウロのもとへ行くということの意味は何なのだろうか。

テモテは信仰のゆえに迫害されており、パウロと同じように苦しい状態にあっ
た。その中で、パウロは手紙を送り、信仰の模範を示し、自分が、またテモテの
祖母ロイスと母ユニケが信仰を持ってどのように歩んできたかを教えて、励まし
ている。そのテモテは教会の中にあってリーダーという立場にあって、自分だけ
ではなく、他にも同じ苦しみを味わっている兄弟たちをも励まさなければならな
いという務めが与えられていた。

そこで、パウロはこの手紙の中で、自分自身が他の兄弟たちとどのように苦しみ
をともにしてきたのかを教えると同時に、テモテは迫害されている状態にあって
何を避けるべきなのか、逆に何を教え、何を守るべきなのかを教えている。ま
ず、避けるべきこととして教えられているのは、俗悪なむだ話(2:16)、そして、
若い時の情欲(2:22)、愚かで無知な思弁である(2:23)。また、テモテへの手紙第
二においては、他の手紙と違い、具体的な人、具体的な名前までもあげられてい
る。3:1-15では、19もの避けるべき人について細かく列挙されており、1:15では
フゲロとヘルモゲネ、2:17ではヒメネオとピレト、3:8ではヤンネとヤンブレと
いう三組、六人の名前があげられている。また、その他、最後のあいさつの箇所
でも人の名前があげられて話されており、彼らはみんなパウロとともに苦しむこ
とをやめ、彼から離れていった者たちであった。

そのような彼らに対して、パウロはテモテとその兄弟たち、特にテモテに対し
て、このような状態にあるときにこそ、みことばを宣べ伝えること、寛容を尽く
し、絶えず教えながら、責め、戒め、勧めるようにとキリスト・イエスにあって
命令されている(4:1-2)。手紙の冒頭でも言われているように、テモテには常に
このように行なえるようにと、神様からおくびょうの霊ではなく、力と愛と慎み
の霊が与えられ(1:7)、強く、また雄々しくあるようにと励まされている。

パウロがテモテにこれらのように願い、彼を励ますのは、テモテが主の囚人であ
ることを恥じ入ることなく、ともに福音のために苦しむためである。テモテがパ
ウロのもとへ呼ばれているのは、まさにそのためである。テモテもオネシポロの
家族のように役に立つ者となって、主に仕える者となることが求められている。

-- Shinya Daniel@KannoFamily  mailto:+shinya@kanno.com :)