Subject:
テモテへの手紙第二「テモテとヨシュア」
From:
Mikuni Kanno
Date:
2010/04/08 18:08
To:
saiwainet@yahoogroups.jp

テモテへの手紙第二「テモテとヨシュア」 2010.4.8

テモテへの手紙第二を読むときに、パウロとテモテの関係が良く描かれているが、この関係を見るときにモーセとヨシュアの関係を連想するべきである。では、パウロはテモテをどのように励ましていたのか。

パウロとテモテの関係を通して、モーセとヨシュアを連想すべき理由は主に二つある。一つは、パウロがテモテを、按手を持って任命したこと、もう一つは、パウロがテモテに「強くなりなさい」と言って励ましていることである。

最初の理由をもう少し詳しく見てみよう。1章6節を見ると、「私の按手を持ってあなたのうちに与えられた神の賜物」という言い方があり、テモテはパウロの按手を受けて任命されたことが分かる。この事は第一テモテ4章14節にも書かれている。テモテには、按手によって聖霊の賜物が与えられている。ヨシュアも同じような任命のされ方をしている。民数記27章で、モーセはヨシュアの上に手を置いて任命した。そこで、ヨシュアは「神の霊の宿っている人(民数記27:18)」と呼ばれている。これらの事から分かるように、テモテとヨシュアは按手による任命をされ、神の霊を与えられた人たちである。

次に、パウロはテモテに「強くなりなさい。」と言って励ましている(2:1)。これを聞いて連想しなければならないのが、「強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない・・・私はあなたとともにいる。」という言い方である。最初にこの言い方が使われたのは、申命記のモーセが死ぬ前にヨシュアを力づけた所である(申命記31:6)。ヨシュア記でも何回かこの言い方が使われているが、神様が仰せられた言葉である(ヨシュア記1:6,7,9)。ヨシュア自身もまた、民に向かって同じ言い方を使っている(ヨシュア記10:25)。このように、これはヨシュアととても深い関係のある言い方である。そして、この言い方をパウロが使って、テモテを励ましているのである。

「強くありなさい。」というときに、1章7節もつながってくる。神様が与えてくださったものは、「おくびょうの霊ではなく、力と愛と慎みとの霊(1:7)」だからである。だから、雄々しくならなければならない。そして、同じようにパウロにも力が与えられている(4:17)。神様は力を与えて、「ともにいて」くださる。だから、パウロも最後の挨拶で、「主があなたの霊とともにおられますように。恵みが、あなたがたとともにありますように。」と祈っているのである(4:22)。