Subject:
テトスへの手紙「慎み深い」
From:
Mikuni Kanno
Date:
2010/04/14 19:00
To:
saiwainet@yahoogroups.jp

テトスへの手紙「慎み深い」 2010.4.14

テトスへの手紙の中に「慎み深い(G4996,4998)」という言葉が4回(1:8,2:2,5,12)も出てきている。では、色々な立場における、「慎み深さ」とは何であろうか。

・監督において

1章7節から9節には監督になるための条件が、13個列挙されている。その中の一つが「慎み深い」ことである。8節では、慎み深いことと、「正しい」こと、そして「敬虔」なことがペアとなって出てきている。この三つのペアは2章12節の奴隷についての箇所でも取り扱われている。

他の新約聖書の箇所で、監督の条件について取り上げられているのは、テモテへの手紙第一の3章である。そこでは条件が15個列挙されているが、その中に「慎み深い」というのが出てくる。新約聖書で「慎み深い(G4998)」という言葉は、テトスへの手紙以外にはここにしか出てこない。これを見るときにも、「慎み深い」ことが監督になるための大切な条件であることが分かる。

監督の役割は大きく二つに分けることができる。一つは、自分の監督下にある者たちにみことばを良く教えること(1:9)、もう一つは、反抗的で教えてはいけないことを教えている者たちを正したりすることである(1:10-11)。なぜなら、「反抗的な者、空論に走る者、人を惑わす者」が多く出てきたからである(1:10)。

このような監督は、「神の家の管理者」である(1:7)。

・老人、年をとった婦人において

2章2節から5節には老人や年をとった婦人が、どのような生活を送るべきかが書かれている。

老人には、「自制し、謹厳で、慎み深くし、信仰と愛と忍耐において健全であるように(2:2)」という命令が与えられている。4個のことが列挙されている中に、「慎み深い」ということも含まれている。

年をとった婦人は若い婦人たちに向かって、主に7つのことを教えるように命令されている。その中の一つが「慎み深い」ことである。若い婦人において求められていることの中で強調されているのは、家庭を愛すること、つまり「夫を愛し、子どもを愛し、家事に励み、自分の夫に従順である」ことである。若い婦人は家庭を愛することによって、慎み深くいられるのではないだろうか。これらのことをすることは、「神の言葉がそしられないため(2:5)」である。

・奴隷において

2章9節からには奴隷に対する勧めが書かれており、主人によく従うように命じられている。その理由は、奴隷が神の教えを飾るようになるためである(2:10)。その教えとは、「不敬虔とこの世の欲とを捨て、この時代にあって、慎み深く、正しく、敬虔に生活し、祝福された望み、すなわち、大いなる神であり私たちの救い主であるキリスト・イエスの栄光ある現われを待ち望む(2:12-13)」ことである。つまり、慎み深くすることは、神様の命令なのである。