Subject:
ヘブル:「大祭司(祭司)について」
From:
Miwaza Jemimah
Date:
2010/05/12 6:53
To:
saiwainet@yahoogroups.jp

大祭司(祭司)について

大祭司(祭司)であられるキリストについては、ヘブル人への手紙全体を通して語られている。「大祭司」という言葉自体17回も使われているのだ。その中でも、「メルキゼデクに等しい祭司」という言い方が何度か繰り返されている(5:10,
6:20, 7:17)。では、大祭司とはいったいどのような働きをする者であったのか?また、この手紙を通して教えられている大祭司とはどのようなものなのだろうか?

大祭司という働きは、いつから始まったものか、という問いには二つの答えがあると言えるであろう。一つは、メルキゼデクの時代から、そして、もう一つの答えはモーセの時代から、である。しかし、メルキゼデクの祭司としての職は、モーセの時代に与えられた祭司制度を含む、いけにえやその他の礼拝に関する命令等、イスラエルの礼拝制度制定後のものではないのだから、祭司の具体的な働きに関する命令が与えられたのはモーセの時代が始まりだとも言えるのではないだろうか。同時にヘブル人への手紙で、キリストが「メルキゼデクに等しい祭司となられた」と書かれているぐらいのなのだから、イスラエルの祭司制度の起源がメルキゼデクにあるのではないか、とも言えるだろう。

モーセの時代に与えられていた祭司制度に関する具体的な命令が初めてされたのは、出エジプト記28章である。この箇所の前から、イスラエルの中に祭司というものが存在していたことは明白であるが、命令の詳細は28章に書かれている。まず始めに、主はイスラエル人の中からアロンとその子らを選び、彼らを聖別して、祭司として任命するように命じられた。また、28章では祭司の装束に関する命令が非常に細かく書かれている。なぜなら、彼ら祭司の務めとは、神の宮で使えることだからである。それゆえ、彼らの着ている装束のどんなに細かい部分であっても、何かの意味があるものとして、神様は命じられた。これらはすべて「聖なる装束(申命記28:2)」と呼ばれるていることからもわかる通り、祭司とは服においてのみならず、その働き全部を通して神様の聖さを表すものなのだ。これらのことからも、祭司という務めにおけるキーワードは「聖」だと言えるのではないだろうか。なぜなら、彼らは「主への聖なるもの(申命記28:36)」だからである。それは「聖別の記章」とも呼ばれており、祭司たちはかぶりものにそれをつけていた。

祭司という職務は、王と同じで、任命されるにあたって油を注がれて任命される、という働きである。それゆえ、アロンもその子らも、油を注がれてこの特別な働きを与えられたのである。この任命とは出エジプト記29章では「永遠のおきてによる任命」と呼ばれている。では、なぜ永遠の大祭司であられるキリストは、「メルキゼデクに等しい祭司」と呼ばれ「アロンに等しい祭司」と言われなかったのだろうか。