Subject:
1テモテ:「教会内で問題となった間違った教え」
From:
Miwaza Jemimah
Date:
2010/06/03 11:00
To:
saiwainet@yahoogroups.jp

- 教会内で問題となった間違った教え

テモテに対して送られたこの手紙で取り扱われているのは、迫害による問題などではなく、教会内の問題である。この時、教会の中では空想話や、系図に関する無益の議論といったような間違った教えが広がっており(1:4,
5:7)、それらに注意するようにとパウロは教えたのである。それと同時に、彼はこの手紙を通して正しい教えとはなにかも教えた(5:6,
13)。では、その間違った教えとはなにか?また、私達がこの手紙から学ぶべき正しい教えとは何なのだろうか?

作り話や切りのない系図に心を奪われたりしないようにと。このような作り話や系図は、信仰による神の救いの計画の実現よりも、むしろ無意味な詮索を引き起こします。
- 1テモテへの手紙1:4

- 悪霊に対する信仰の戦い

教会の中でこのような間違った教えが問題となる、ということは、テモテと他のクリスチャンにとって、信仰の戦いがあったということになる(6:12)。少なくとも、テモテはこの手紙からも分かる通り、その戦いを信仰を持って戦っていた。しかし、中には1章20節に登場するヒメナオとアレキサンデルのように、誘惑によって信仰から離れてしまった者たちもいたようだ。この手紙が、間違った教えについて主張し、信仰から外れてしまった者に関する箇所で終わっていることからも、事の重大さが伝わってくる(6:21)。しかし、それと同時にこれらの問題が突然起こったのではない、ということも4章1節などから明らかになる。「後の時代になると、ある人たちは惑わす霊と悪霊の教えとに心を奪われ、信仰から離れるようになります」とパウロは警告している。

信仰の戦いを立派に戦い抜き、永遠の命を手に入れなさい。命を得るために、あなたは神から召され、多くの証人の前で立派に信仰を表明したのです。
- 1テモテへの手紙6:1

- パウロが教えた正しい教えとは?

では、パウロはこのような問題と戦っていたテモテに対し、何を書き送ったのだろうか?彼は、偽りの教えについて当然だが、監督(3:1-7)、執事(3:8-13)、女達(2:9-15)、若い者達(4:12)、やもめ等(5:3-11)、具体的な対象を決めたうえで、彼らが日々の生活をどのようにして生きるべきなのか、ということについても長く書かれている。つまり、パウロはテモテへの手紙を通して、信仰を惑わす悪霊の教えに関して注意するだけでなく、”正しい教え”、つまり、信仰生活のあるべき姿について細かく教えたのである。なぜなら、それは1章3節からの箇所でも明らかになるとおり、テモテがエペソに使わされていた理由の一つは、人々を違った教えから守るためであったのだ。

マケドニア州に出発するときに頼んでおいたように、あなたはエフェソにとどまって、ある人々に命じなさい。異なる教えを説いたり...
- 1テモテへの手紙1:3

- この世の欲からの誘惑

では、実際に偽善者たちは何を教えていたのだろうか?それは6章に書かれている。パウロによると、違ったことを教え、敬虔な教えに反対する人々は高慢であるが故に、そのような問題を起こしていた(6:4)。彼らは、正しい教えに反対するばかりか、他の人々を誘惑し、彼らを信仰から引き離してしまった(6:10)。その教えとは、人間の欲であり、具体的にはこの世の富に関することだったのではないかと、6章9-10の「金持ちになりたがる人たち、金銭を愛すること」等の言い方から推測することができる。

異なる教えを説き、わたしたちの主イエス・キリストの健全な言葉にも、信心に基づく教えにも従わない者がいれば、その者は高慢で、何も分からず、議論や口論に病みつきになっています。そこから、ねたみ、争い、中傷、邪推...
- 1テモテへの手紙6:3-4

- 富んでいる人々への警告

それゆえ、パウロはすでに富んでいる人たちに対する命令もテモテに教えている。そのような人々に対しては、高ぶったり、この世の富に望みをおいたりすることがないように、と注意している(6:17)。また、彼らに対しては施しをし、兄弟達に喜んで分け与えるように、ということも教えている(6:18)。そうでないと、金銭を愛したり、金を追い求めることによって、信仰から迷い出てしまうからだ(6:10)。つまり、この世において何を徳とだと考えるのかについての正しい知識が、間違った教えから自分を守ることにもつながるのである。

善を行い、良い行いに富み、物惜しみをせず、喜んで分け与えるように。
- 1テモテへの手紙6:18