Subject:
ペテロの手紙第一「義のたみに苦しむ」
From:
Shinya Daniel Kanno
Date:
2010/06/17 14:15
To:
Saiwainet

「義のために苦しみなさい」 菅野審也 2010.06.17

イエス・キリストの使徒であるペテロは、ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジ
ヤ、ビテニヤに散らされている選ばれた兄弟たちへ手紙を送っている。それは、
これから来る終りの日に迫害を受けなければならない彼らを励ますためであっ
た。その手紙の中で、ペテロは何よりもまず、自分たちの罪のために迫害される
ことがないように命じ、かえって良い行ないのために迫害される者は幸いである
と教えている(3:14, 4:14)。では、私たちが苦しみの中で行なわなければならな
い良い行ないとは何なのだろうか。

この手紙は、全体を1:3-3:7と3:8-5:11の大きく二つに分けることができ、前半
は特に神様に対して、それに対して後半では兄弟たちに対してどのように行うべ
きかが教えられている。そこで、まず前半においては、この兄弟たちがどのよう
に選ばれたのか、また何のために選ばれたのかを教え、キリストの模範も示され
ている。以前は、神の民ではなく、この世の欲望に望みを置いていた彼らでは
あったが、神のあわれみにより、金や銀のような朽ちるものによってではなく、
朽ちることのないキリストの血によって贖われ、選び出されたのであって、これ
から苦しみに遭わなければならない彼らに対して、キリストは自分の罪のために
ではなく、その正しさのゆえに苦しみをお受けになったということをはっきりと
教えている。また、この段落においてはさらに、アブラハムとサラの模範も示さ
れている。すなわち、その模範とは2:11-17と3:1-7で教えられていることであ
り、自由人として従順に良い行いをするようにということ、具体的には、妻たち
は自分の夫に従い(3:1)、夫は自分の妻を助け、尊敬するように(3:7)ということ
が命じられている。

これらの命令を受けた兄弟たちには、前半では、キリストやアブラハムとサラの
模範が示されていたように、後半では、兄弟との関係を通して、さらに具体的に
キリストに召された者としての良い行ないについて教えられている。後半では
「互いに」ということばも多く使われており、兄弟との関係について教えられる
ことは非常に明らかである。そこで、この段落は、心を一つにし、兄弟愛を持ち
なさいという命令から始まり(3:8)、互いに熱心に愛し合うこと(4:8)、互いに親
切にもてなし合うこと(4:9)、互いに謙遜を身につけること(5:5)などが命令され
ている。これらの命令、特に互いに愛し合うことは、これから終りの日に苦しみ
を受けなければならない兄弟たちにとってすごく大切なことであり、迫害されて
いる状況の中で一番試される二つのうちの一つであると言うことができる。すな
わち、神に対する信頼と、兄弟に対する愛。この二つのことについて正しく行な
うことが終りの日に求められている良いわざであり、これこそが神のみこころで
ある。

そのようなわけで、ペテロは、バプテスマを受け、正しい良心の神への誓いを立
てた兄弟たちを励まし(3:21)、絶対に自分たちの罪のために苦しみを受けるよう
なことがあってはならないこと、かえって、良いわざのために苦しみを受けるよ
うにということを何度も強調して教えている(2:20, 3:14, 3:17, 4:14, 4:16)。
兄弟たちがこれらのことにおいて正しく行なうことは、キリストと同じように、
他の兄弟たちへの模範となり(5:3)、さらには、キリストの栄光が大いに現わさ
れることとなるのである。

「もしキリストの名のために非難を受けるなら、あなたがたは幸いです。なぜな
ら、栄光の御霊、すなわち神の御霊が、あなたがたの上にとどまってくださるか
らです。」ペテロの手紙第一4章14節

-- Shinya Daniel@KannoFamily  mailto:+shinya@kanno.com :)