ヨハネが書き送った新しい命令とは

子どもたちよ

ヨハネはこの手紙を「子どもたちよ(2:1, 2:12, 2:28, 3:7 ,3:18, 4:4,
5:21)」や「小さい者たちよ(2:14,
2:18)」という呼びかけを持って書き送った。その中で、彼は様々なことに触れているのだが、その中でも「命令」という言葉が繰り返し使われており、内容を理解する上で一つのキーワードであると考えられる。では、ヨハネが書いた「命令」とは何を指しているのか？この手紙を通して私たちに命じられていることとは何だろうか？

主の命令を守り主を知る

ヨハネは「命令」という言葉をこの手紙の中で、実に10度も用いた。一番初めに使われている2章の箇所からは、この命令が神様から与えられたものであり、この命令を守ることこそが、神様を知ることだ、ということが明らかになる。なぜなら、命令とは神様御自身を表すものだからである。つまり、主の命令を守ることは真理を知ることだ、とも言えるのである。しかし、反対に神様を知っているというのに、その命令を守らないのならば、その者は偽り者であり、光の中を歩んでいると言いながらも、実は闇の中にあるのと同じ事になる。

なぜ主の命令を守るのか？

では、その命令を守る動機とは何なのか？それは、神を愛する事である。実は、命令を守る、ということが神様を愛することなのである。神を愛する事、それが神から私たちに与えられた命令であり、その命令を守る模範をも私たちに示してくださったのである。それゆえ、神様はまず私たちを愛してくださり、同様に私たちも神様を愛するように、と命じられたのである。

神の愛とは何なのか？

では、神の愛とは何なのか？神の私たちに対する愛の究極の現れとは、御子を私たちの罪の贖いのために、この世に送ってくださったことである。キリストの十字架上での死と復活により、私たちの罪は完全に赦され、永遠の命が与えられたのである。つまり、御父は御自分の子を通して、私たちに完全なる愛を示してくださったのである。

神を愛する事とは？

神を愛する、とは具体的に何をすることなのか？それは、同じように神を愛する兄弟達を愛することである。神様が私たちを愛してくださったのであるから、それゆえヨハネはこの手紙において、兄弟達に繰り返し「互いを愛し合うように」と書き送ったのである。ヨハネがこの手紙を書き送ったのも、彼が愛する兄弟達に対してであり、彼らを愛している故に、新しい命令を書き送り、神様が愛しているように、互いのことも愛するようにと命じたのである。