Subject: ヨハネの手紙第一「愛する子どもたちへ」 |
From: Shinya Daniel Kanno |
Date: 2010/07/08 7:46 |
To: Saiwainet |
「愛する子どもたちへ」 菅野審也 2010.07.07 「愛する子どもたち。」へ送られたヨハネの手紙第一においては、子どもたち よ、愛する者たちよ、小さい者たちよ等、いくつかの呼びかけがある中で、「子 どもたちよ。」という呼びかけが七回も出てきており(2:1, 2:12, 2:28, 3:7, 3:18, 4:4, 5:21)、ヨハネとの父と子の関係が強調されていることが非常にはっ きりとしている。では、そのような愛する子である教会へ与えられた神の命令と は何だったのだろうか。 この手紙は短いながら、なんと「愛」ということばが詩篇(56回)、雅歌(56回)、 ヨハネの福音書(39回)という長い書物に次いで四番目に多く使われている書物で ある(30回)。この手紙では、父と子の愛の関係のみならず、兄弟たちの愛の関係 についても教えられている。このことは、30回使われている愛ということばのう ち、12回が兄弟愛について使われているということからも明らかである。そこ で、彼らに与えられた命令とは、「御子イエス・キリストの御名を信じ、キリス トが命じられたとおりに、互いに愛し合うこと」である(3:23)。この命令におい て忘れてはならないことが一つある。それは、キリストがこの命令を命じられた ということである。私たちは、この命令をキリストから受けたのであって、御子 と御霊との愛の関係を模範としなければならない。 互いに愛し合うとは具体的には、神から生まれた者として(5:1)、愛であられる 神のうちにとどまることであり(4:16)、すなわち、神の命令を守ることである (5:3)。この愛の関係はまさに、神を愛することの現れであることがわかる。教 会の父であるヨハネが子である教会を愛したこと、また、ヨハネが命じている教 会が互いに愛し合うこと、これは一つのことであって、切り離して考えることは できないことである。私たちの互いの間の愛は、まず神から始まっており、キリ ストが私たちの罪のために死んでくださったように、その模範にならって、兄弟 のためにいのちをささげなければならないのである。それでこそ、罪の中にある 兄弟をそこから助けるのであって(5:16)、自分をも罪から守ることとなるのである。 これらのことについて教えられているヨハネの手紙第一には、ヨハネの福音書17 章の大祭司の祈りと呼ばれる、十字架にかけられる前の晩にイエスがささげられ た祈りと深い関係がある。この手紙が父と子の関係、また兄弟たちとの互いの関 係について教えているように、イエスもその祈りの中で同じように、ご自分と御 父との関係について、さらには、ご自分と私たちとの関係について祈られてい る。すなわち、子であるイエスを通して御父の栄光を現わして下さるように、ま た、御父と御子が一つであるように、私たちも互いに愛し合い、一つであれるよ うにということである。これこそが、この手紙の差出人であるヨハネの模範とし た関係である。「私たちの交わりとは、御父および御子イエス・キリストとの交 わりです。」(1:3)と書かれているとおりである。 そのようなわけで、私たちの関係は、三位一体なる神を現わすものであり、御父 と御子の関係、御子と御霊の兄弟の関係を現わすものである。これらの命令は、 この手紙を受けている教会にとっても、また今の私たちにとってもいのちのこと ばであり(1:1)、この手紙を通して私たちに新しい命令として書き送られている ものである(1:8)。-- Shinya Daniel@KannoFamily mailto:+shinya@kanno.com :)