Subject:
ヨハネの手紙第三「反キリストによる惑わし」
From:
Shinya Daniel Kanno
Date:
2010/07/29 14:44
To:
Saiwainet

「反キリストによる惑わし」 菅野審也 2010.07.29

イエス・キリストの使徒であるヨハネは、第二の手紙を選ばれた夫人とその子ど
もたちへ、また第三の手紙を愛するガイオへと送っている中で、それぞれ何か彼
らが直面している問題を取り扱っている。では、彼らの問題としていたことは何
んであったのか。また、その問題の解決してあげられていることとは何なのだろ
うか。

第二の手紙は全体を四つに分けることができ、三つ目の段落の7-11節で彼女たち
が直面している問題について取り扱われている。その問題とは、すなわち、人を
惑わす者たち、反キリストが世に多く出ており、人を惑わそうとしているという
ことである。ヨハネは、そのような、行き過ぎをして、キリストの教えのうちに
とどまらない者を家に受け入れてはいけないと命令している。さらに、ヨハネは
受け入れるだけではなく、あいさつすること、ことばをかけることさえも堅く禁
じている。なぜなら、ヨハネの手紙第一からも教えられたように、キリストの教
えのうちにとどまらない者は、神を持ってはおらず、御父をも御子をも持ってい
ないからである。このようなわけで、彼女たちの問題とは、人々を惑わす反キリ
ストである。

次に、第三の手紙においても第二と同じように三つ目の段落でガイオの問題が何
か説明されている。ヨハネの手紙第三においては、宛先でも、特定の個人、すな
わちガイオという名前があげられているように、敵についても、ガイオの模範と
すべき人についても実際に名前があげて話されている。その敵とは、デオテレペ
スのことで、聖書にはここの一回しか登場はしていないが、どれだけ悪い者で
あったのかはよく理解することができる。彼はヨハネの言うことを聞こうとしな
いながらも、かしらとなろうとし、自分の兄弟たちを受け入れなかったというこ
とが言われている。ヨハネの手紙第二では、悪い者は受け入れてはならないとい
うヨハネの命令があったが、それに対してデオテレペスは受け入れるべき人を受
け入れることをせず、それどころか、兄弟を受け入れたいと思う人たちを教会か
ら追い出していたのである。これはまさに、マタイの福音書23章でキリストに取
り扱われている偽善者やパリサイ人たちと同じ行動である(マタイ23:13)。この
ような邪悪なデオテレペスに対して、ヨハネはデメテリオという善を行う者を模
範とするように命じている。善を行う彼は神から出た者であり、彼が正しいこと
は人々からだけでなく、真理そのものからも証言されていた。

そのようなわけで、これらのような問題を抱えていた兄弟たちに、ヨハネはそれ
ぞれどのようにその問題を対処したらよいのか、解決の方法も教えている。その
方法とは、「愛」である。第二では御父の命令に従って歩むこととして、互いに
愛し合うことが教えられており、第三では、実際に、福音のために旅路にある兄
弟たちを受け入れるようにということが命令されている。人を惑わす者がいる中
で、兄弟を受け入れない者がいる中で、正しく兄弟を受け入れることは真実な行
ないである。これこそがヨハネが最も喜びとしている、真理のうちを歩むことで
あり、こうしてこそ、真理のために働く者たちの同労者となれるのである。

-- Shinya Daniel@KannoFamily  mailto:+shinya@kanno.com :)