Subject:
1コリント:「不品行と偶像にささげた肉の問題」
From:
Miwaza Jemimah
Date:
2010/11/02 21:08
To:
saiwainet

不品行と偶像礼拝の問題

パウロの時代には、キリストの十字架における贖いにより、異邦人にも救いが与えられた。しかし、教会の中ではそれに伴ってモーセの律法に関する問題が起こっていた。なぜなら、救われた異邦人に対し、律法を古い時代のように守るようにと強く教えたユダヤ人がいたからである。この事に関しては、使徒行伝15章にも書かれているのだが、ユダヤ人達の中には異邦人達に割礼が無ければ救われないと言って割礼を受ける事を強要するような者もいた。そこで、使徒15章ではパウロは異邦人には「偶像に備えて汚れた物、不品行、絞め殺した物と血」に気をつけるようにと教えた。1コリントにおいても、これらの問題は取り扱われており、特に7-8章においては不品行と偶像礼拝の問題が取り扱われているように見受けられる。では、それらの問題はどのようなものだったのか?

コリントの教会における不品行の問題

この書物の中で不品行を避けなさいという事を、パウロは何度か繰り返し書いたのだが、特に1コリント7章では、コリントの教会にあった不品行の問題を解決するために、正しい結婚について書き送った。5章では「異邦人の中にもないほどの不品行」と言われている事からも分かるように、コリントの教会における不品行は非常に重い問題だったようだ。つまり、使徒行伝では不品行が異邦人について特に注意されている問題であるにも関わらず、ユダヤ人の間でも問題となってしまったのである。そこで、パウロは結婚すること、また、結婚をしないことを教えることを通して、教会の不品行の問題を取り扱ったのである。

不品行から自分を守ること

パウロが7章1節で書いている通り、不品行から自分を守るため、男は女に触れないようにと教えている。また、そのためには、それぞれが自分の妻、そして、女は自分の夫を持つようにと言われている。しかし、この手紙が書かれた時代には、迫害がますます激しくなっており、さばきの時が近づいていたため、苦難を受けないためにも、パウロは自分を模範とし、可能であれば結婚しないようにと勧めた。しかし、同時にすべての人が彼と同じように、結婚しないでいる、という賜物がないことも彼は言及した。それゆえ、不品行を避けるために結婚しても良いとパウロは言ったのである。これらの事からの彼の結論としては、結婚することもしないこともどちらも罪ではないが、苦難を自分の身に招かないためにも、できれば結婚しないようにと勧めたのである。これらもすべて、教会にあった不品行から守られるための教えであったのである。

偶像にささげた肉について

8章でパウロは「偶像にささげた肉についてですが…」と取り扱う問題を明確にし、偶像にささげた肉を食べることを通して、弱い兄弟達に対して罪を犯すことの問題を取り扱った。そのために、彼は初めに、偶像は実際には存在しないこと、また、私たちの信じる唯一の神以外に神は存在しないことを改めて明言した。なぜなら、パウロが書いたとおり、新しく救われた異邦人のように、この事を知らない者もいるのだ。それゆえ、この問題を通して、彼らの良心が汚れることのないようにと、注意する必要があったのである。唯一の神の存在を知っているという知識が逆に、弱い人を滅ぼすことになってしまってはいけない。なぜなら、このようにして、兄弟をつまずかせることは、罪を犯すことであり、それも、兄弟にだけでなく、キリスト御自身に対して罪を犯すことだからであり、それは、キリストが死んでくださったのは強い兄弟のためでなく、弱い兄弟のためにも死んでくださったからである。

パウロの問題解決と目的

このようにして、パウロはコリントの教会にあった、不品行の問題や偶像にささげた肉に関する問題を取り扱う事を通して、教会の間にある争いを解決し、兄弟達の一致がさらに深まるようにとこの手紙を書き送ったのである。