Subject:
1コリント:「飲み食いがもたらした教会の分裂」
From:
Miwaza Jemimah
Date:
2010/11/16 21:28
To:
saiwainet

コリントの教会における主の晩餐に関する問題

1コリント11章でパウロは特に聖餐式に関する問題を取り扱った。なぜなら、コリントの教会が集まりをするときに、人々の間に分裂があるということがパウロに伝わったからである。特に、その問題は共にする食事に表れていたようだ。教会は主の晩餐を食べるために集まっているにも関わらず、実際は各々が自分の腹を満たすために食事をする場となってしまっていた。それゆえ、ある人々は空腹であったり、ある人々は酔っているといった有様で、教会における主の晩餐のあるべき姿とはかけ離れた実態がコリントの教会にはあったのである。

飲み食いがもたらした教会の分裂

このようにして、飲み食いが教会の分裂の大きな原因となってしまっていたのだが、思い返してみれば「食べること」はアダムとエバが創造された後、まず初めに問題となってしまったことでもある事がわかる。エバはサタンの誘惑に負け、神様が食べてはいけないと命じられたにも関わらず、善と悪の知識の木から実を取って食べてしまったのである。この事によって、罪が世界に入り、神様と被造物の間に分裂を引き起こしてしまったのだ。人間がこの罪を犯してしまったのは、彼らが創造された後の「初めての食事」においてであった。言わば、人間の初めての宴会、しかも、エデンの園という神の御前における食事であったのにも関わらず、それを自らの罪によって、死をもたらす食事としてしまったのである。これは、つまり「食べる」という神様から与えられた祝福を、自らに呪いをもたらすものと変えてしまったということである。

死の呪いの下に置かれた人類

このようにして、人間が罪を犯したことにより、人類は死の呪いの下に置かれ、そこから贖い出される必要ができてしまったのである。そこで与えられた、神様からの最大の恵みが、救いの約束だ。神様は御自分の命令に逆らい、罪を犯してしまった人間をもあわれみ、死の支配からの贖いを約束してくださったのである。その贖いとは、「女の子孫」がサタンの頭を踏み砕くというもので、これはキリストの死と復活を通して、死に対して勝利を得られるということを指しているのである。

旧約時代における贖いのいけにえ制度

しかし、この約束が与えられてから、実際にキリストがこの世に来られるまで、数千年あった、それゆえ、その間には後に来る完全な贖いを表すものとして、いけにえというものがあった。いけにえにもいろいろな種類があるのだが、その中には、一般の民が共に食べることを赦されているいけにえもあった。つまりは、神様との宴会のようなものだ。しかし、規定も多くあり、食べてはいけないものや食べてはいけない人などが細かく命令されていた。なぜなら、いけにえ制度とはキリストによる完全な贖いを待つ間の一時的なものであったからである。

罪人である大祭司によって行われたいけにえ制度

また、決定的な違いの一つには、ヘブル7章27節でも言われているとおり、大祭司によって毎日行われる必要があったということがある。大祭司も罪人であるが故に、彼がいけにえをささげても、それは完全な罪の贖いとはならなかったからである。しかし、この大祭司が行っていたいけにえも、神様がキリストを完全な贖い主としてこの世に送ってくださったことによって成就した。それゆえ、キリスト御自身のただ一度の死によって、救いが成し遂げられたのである。それと同時に、いけにえ制度では制約されていた「宴会」も、贖いを記念する「聖餐式」という形に成就し、以前は贖いのために行われていた「宴会」も、キリストによってなされた完全な贖いを記念するものとなったのである。

死の支配から永遠のいのちへ

神様は約束通り、神様は贖い主なるキリストをこの世に送ってくださり、その救いゆえに、私たち人類は死の支配からもう一度、永遠の命の約束に入れられたのである。これを記念するのが1コリント10章でも取り扱われている「聖餐式」なのだが、パウロが書いている通り、コリントの教会では、その本来は祝福であるべき「食事」が、教会に分裂をもたらすという全く反対のものとなってしまっていた。これは、歴史の始まりのアダムとエバの罪と並行して考えてよいものだろう。アダムとエバも、善悪の知識の木のみを食べることによって、祝福として与えられた食べ物を自らに死を招くどころか、全人類に死の呪いをもたらすものとしてしまったのである。

聖餐式のもたらす一致について

それゆえ、パウロはその問題を取り扱い、主の晩餐を通して教会に一致がもたらされるため、聖餐式とは何なのか、11章23節からにおいて具体的に説明し、聖餐式の本来あるべき姿をコリントの教会に教えたのである。