Subject:
復楽園 第20章
From:
"近野聡子" <konnosatoko@nifty.com>
Date:
2002/11/09 21:08
To:
"さいわいネット" <saiwainet@egroups.co.jp>

聡子です、20章の要約を送ります。
 
1 黙示録-聖書の目的
 
黙示録は契約文書であり、預言の一つでもあります。
 
事件を「予言」することが目的なのではなく、贖罪と倫理がその目的です。
 
黙示録の関心は「契約」にあり、聖書自体が、神が御民と結ばれた契約に関する、神の啓示となっています。
 
聖書の目的は、神が御民を救い、御民を通してご自分の栄光をどのように現して下さったか、を示すことです。
 
神が黙示録の中で、ローマ帝国について語るのも、ご自身の契約と救済史と関係があるからです。
 
神は地(イスラエル)と教会の観点からのみ、歴史を見ておられます。
 
2 ローマ帝国とネロ
 
黙示録の中でローマ帝国は、呪いの下にある動物、として象徴されます。
 
獣の姿は、豹や、熊や、獅子のようであり、まさにダニエル書(7:1~6)にある、4つの偉大な世界帝国の、
最初の3つを表す言い方と同じです。
 
この3つの帝国はバビロン、メド・ペルシャ、ギリシャの3国であり、第4の帝国であるローマは、3つの帝国の悪い特徴を、さらに悪くした帝国でした。
 
黙示録に登場する「獣」は、明らかにローマ帝国のことを指します。
 
そして、獣はただ制度であるだけではなく、一人の人格、特に皇帝ネロを指します。
 
ローマはその指導者と同一視され、ローマ帝国はネロの内に具現化かれていたのです。
 
故に聖書はこの両者を、同じ名称を使いながら、指し示しました。
 
ネロの個人生活は野蛮な獣のようであり、公的には教会を破壊するため、ユダヤ人を扇動して、クリスチャンを迫害した、
最初の皇帝です。
 
この獣欲主義的倒錯者が、地上で最も力のある帝国の支配者だったのです。
 
彼の性向は臣下達のも影響し、ローマは世界の道徳の下水道のような所でした。
 
3 海から出て来る獣
 
ヨハネはまず最初に、獣が海から上がって来るのを見ます。
 
確かに、強大なローマ帝国は、海を隔てたイタリア半島からやって来ました。
 
しかし、それよりも大切なことは、聖書に於ける「海」の象徴です。
 
創造の初めの時、地は形が無く、闇の塊でした。そこに神の霊の光が来て、闇に打ち勝ったのです。
(創1:2/ヨハネ1:5)
 
海は根本的には命を象徴しました。しかし、堕落後、荒れ狂う海の景観は、人が神に逆らったために、
混沌状態となった、世界の象徴として、使われます。
 
「しかし、悪者どもは、荒れ狂う海のようだ。(イザヤ57:20)」とある通りです。
 
この混沌状態にある、人類という反逆者の中から、ローマが出現しました。
 
これは、神に敵対するもの、という前提の上に建てられた全帝国だったのです。
 
4 獣の特徴
 
第二にヨハネは、獣が竜の形に造られているのを見ました。
 
竜は獣に「自分の力と位と大きな権威」を与えます。
 
獣の持つ10本の角(権力)は、帝国の10属州を、そして、7つの頭は、歴代のカエサルとして説明されています。
(黙17:20)
ネロは、それらの頭の1つでした。
 
第三にヨハネは、獣の頭に「神を汚す名」があるのを見ました。
 
ローマ帝国のカエサルは、唯一まことの神のみに属する栄誉、を受けていました。
 
ネロは絶対服従を命じ、巨大な自分の像を作らせました。
 
パウロはカエサルを、「不法(罪)の人、滅びの子」と呼びました。
 
クリスチャンが迫害を受けたのは、この偶像礼拝的な皇帝崇拝に加わることを、拒んだためです。
 
5 獣の傷
 
第四にヨハネは、獣が受けたその致命傷が治り、生き返るのを見ました。
 
獣が傷を受ける、という場面は、エデンの園で神が与えて下さった、キリストが来られて、竜の頭を打ち砕くという約束
を思い出させます。(創3:15)
 
皇帝ティべりウスは、キリストの神性を公式に認めるよう、元老院に正式に要請ました。
 
一時、まさにキリスト教は、日の出の勢いであり、ローマ帝国は福音の剣によって、致命傷を負い、
死んだかのように見えました。
 
しかし、その形勢は、異端や背教の流布により、逆転しました。
 
獣は、致命的な傷を受けたにもかかわらず、まだ生きていました。
 
そして、ほとんどの教会が、信仰を捨ててしまったかのような、事態に陥りました。
 
キリストが、既に竜と獣を打ち負かしていたのですが、その勝利の目標とするところは、まだ達成されていませんでした。
 
聖徒達が打ち勝ち、御国を占有するのは、まだこれからなのです。
 
6 背教のイスラエル
 
第五に「全地は驚いて、その獣に従い、そして、竜を拝んだ。」とありますが、この「地」とはイスラエルのことです。
 
偶像礼拝を行う、反抗的なイスラエルは、異教徒のような集団になっていました。
 
皇帝礼拝の故に断罪されているのは、特にイスラエルです。
 
キリストかカエサルか、という選択を迫られた時、彼らはこう宣言しました。
 
「カエザルの他には、私達には王はありません(ヨハネ19:15)」
 
究極的には、イスラエルは竜を礼拝していたのでした。
 
イエスご自身が、彼らを「サタンのシナゴーク(黙2;9、3:9)」と呼ばれていたのはそのためです。
 
7 42か月
 
第六に、獣には「42か月間活動する権威(黙13:5)」が与えられていました。
 
「42ヶ月」という期間は、象徴的な数字で、悲しみの時を示します。
 
事実、教会に対するネロの迫害は、42ヶ月間続きました。
 
神の敵が力を得ており、裁きが下されているような時です。
 
8 獣の正体
 
ヨハネは読者に、獣の正体をはっきりと教えています。
 
「ここに知恵がある。思慮ある者は、その獣の数字を数えなさい。その数字は人間指しているからでる。
 その数字はは666である(黙13:18)。」
 
ソロモンが権勢を極めた時、年間666タラントのお金を受け取りました。
 
その数字は、ソロモン統治期の絶頂と失墜の始まりの、両方を示しています。
 
故に、ユダヤ人にとって666という数字は、背教を示す恐ろしい数字でした。
 
ギリシャ語もへブル語も、アルファベットの各文字は数字でもあります。
 
誰の名前でも、文字の数値を足しさえすれば、名前の”数字”を計算出来ます。
 
黙示録が、同時代に語ったメッセージは、「思慮のある者」しか理解出来ませんでした。
 
計算に於ける意外な点は、へブル語で算出しなければならないことでした。
 
教会内に、へブル語の分かる人がいることが、普通だったのです。
 
そして、ネロ・カエザルの数値こそ、666だったのです。
 
「人間」の数字は「6」でした(創1:27、31)。そして、キリストは6日目(金曜日)にかかとに傷を負いました。
 
しかし、それは同時に、キリストが竜の頭を砕かれた日でもあります。
 
ネロは、最も勢いのある時も、「6」か「6の連続」に過ぎず、決して「7」ではありません。
 
ネロの世界制覇計画は、成就されることはなく、最後には教会が勝利を得る、とヨハネは断言しました。
 
ーごめんなさい、途中までしか要約出来ませんでした。
  つづきも直ぐ書いて送ります。(2,3日中に)-