＋松田＠カンノ・カンパニーです。

「脂肪」研究家の伊藤将くんの調査により、詩篇36:8の
「脂肪（デシェン＝fatness）」（新改訳では「豊かさ」）が、
旧約聖書のほかの場所に15回あらわれることがわかりました。

また、「恵み」と「義」については、ほかの小さい研究員の方々が
調べてくれています。

今回発見された関連重要テーマは山のようにあるようです。
モニママは、新約とのリンクを試みておられるようです。

将くんの「脂肪」をキーワードにして見つかった大量のテーマのうち、
一つだけですが、わかった分だけをまとめて、最後に「仮説」を
書きます。


■詩篇36と詩篇32、33、34のリンク

詩篇36:8の「脂肪」と同じ単語が出てくる15か所の中には、

・詩篇65:11
・エレミヤ31:14（「主の御告げ」の章）

もありました。この二つの箇所「詩篇65」と「エレミヤ31」は、
それぞれのキーワードによって次のように引き伸ばされます。

詩篇65「とが」「そむきの罪がゆるされる（3節）」→詩篇32:2,5
詩篇65「幸いなことよ（4節）」→詩篇32:1-2; 33:12; 34:8
エレミヤ31「私は彼らの神、彼らは私の民（33節）」→詩篇33:12
エレミヤ31「わたしは彼らのとがをゆるす（34節）」→詩篇33:12

つまり、

詩篇36
「脂肪」------詩篇65; エレミヤ31
               　　「とが、そむき、幸い」、契約の民
                           |
                           |
                           |
                    詩篇32; 33; 34
                    「とが、そむき、幸い」、契約の民

のように、詩篇36と詩篇32～34は連結されています。

■詩篇30～36の大キアスマス

いっぽう、
詩篇35篇を学んでいた先週には、「恥」研究家の菅野塾長の概略は、
少なくとも詩篇31篇から35篇までがキアスマスだと推測しているように
見えました。ここで詩篇32～34はひとまとまりだという前提があります。

A 詩篇31（恥、見捨てられる、死人のように衰え果てる）

  B 詩篇32（「幸いだ」「あなたは私の隠れ場」、罪のゆるしを喜ぶ）
     詩篇33（「幸いだ　神が主である国民は」）
     詩篇34（「幸いだ　彼の中に逃げ込む男は」、主の善）

A'詩篇35（恥、悩み衰え）

そして、
今やっている詩篇36篇は、じゅんママの忠実な分析が示すように
7節「何と尊い　あなたのいつくしみは　神よ」を中心とするのが妥当であると
思います。「何と（＝"mah"）」という感嘆詞で主をたたえる句は、
詩篇の中ではほかに見つからなかったので、とても強い表現だと思います。

詩篇31～35の大キアスマスが正しいとすれば、

詩篇30（御怒りはつかの間、命は恩寵のうちに／私は永遠に揺るがない）
詩篇36（何と尊い、あなたのいつくしみは　神よ）

もまた、キアスマスの対応箇所として考えてよさそうに思えます。
・・・が、もう少し論拠を集めないと、まだ「仮説」です。」