Subject:
詩篇119篇前半11段落の題、特徴(謙人)
From:
"Kento Aoki" <kento@arkios.co.jp>
Date:
2003/01/22 22:00
To:
<saiwainet@egroups.co.jp>

こんにちは、謙人です。

昨日やった前半に続いて、詩篇119篇後半12段落の題、特徴について研究しまし
た。

11、81-88節

題:「私は私を迫害する者どもからの救いを求めている」

特徴のある言い方:絶え入るばかり、(煙の中の)皮袋、迫害するものども、(穴を)掘
る

特徴コメント:この段落の最初には絶え入るばかりという言葉が二回出てきて、詩人
の苦しみのひどさを強調している。さらに、その後には煙の中の皮袋のようになった
とある。しかし、それでも詩人は神に信頼し、神のさとしを守る。

12、89-96節

題:「全てのものには終わりがあるが、主の仰せは固くたつ」

特徴のある言い方:据えた、終わりのあること

特徴コメント:ここに特に特徴あるのは御言葉が堅くたつとうはなしである。最初、
詩人は主の真実は堅く立つということをいって、最後の所で全てのものに終わりがあ
るが、主の仰せは広いといっている。

13、97-104節

題:「私はどんなにか主の御教えを愛しているか」

特徴のある言い方:一日中、全ての師よりも悟りがある、老人よりも・・・、悪の
道、蜜よりも甘い

特徴コメント:詩人はここで主のさとしにより老人、師などよりも自分は知恵がある
といっている。これは主に信頼していることを表して、そのあとの蜜よりも甘いとい
う話はそれをもっと強調している。また、この蜜より甘いというのは聖書の中でも特
徴のあるいいかたである。

14、105-112節

題:「私に裁きを教えてください」

特徴のある言い方:御言葉は光、誓い、裁きを教えてください、(悪者が)わなを設け
た、永遠のゆずり、終わりまでも

特徴コメント:主の御言葉は詩人の道の光であり、永遠の譲りである。また、詩人は
神に命がけでいなければならないといっているように彼の敵はわなを仕掛けている。
しかし、詩人は終わりまでも神のおきてを行うことに心を傾ける。

15、113-120節

題:「悪者は滅ぼされるが、私は主に信頼する」

特徴のある言い方:二心の者、主は隠れ場 盾

特徴コメント:詩人は悪を行う者ども、二心の者たちを憎んでいて、彼らに対して離
れていけと言っている。このように詩人が悪者たちに対して、離れていけというよう
に言っている段落はここが119篇の中ではじめてである。また、詩人の肉は主への
恐れで震えているというように、主に信頼している詩人にとっても主は恐ろしいお方
であるということがよくわかる。

16、121-128節

題:「あなたのしもべに恵みをあたえ、高ぶる者どもから守ってください」

特徴のある言い方:幸いの保証人、ことをなさるとき

特徴コメント:詩人はここで神に幸いの保証人になってくださいという。この言葉は
119篇の最初に出てきてから2番目である。もう一つの特徴として、126節にあ
るように詩人は今が悪者への裁きの時だと訴えている。

17、129-136節

題:「御言葉の戸を開け、御顔を向けてください」

特徴のある言い方:御言葉の戸、口を大きく開ける、罪に支配させないで下さい

特徴コメント:131節には詩人がとても主の仰せを愛しているということが強調さ
れている。また、主のしもべが御教えを守らないのをみて涙が流れるというのは非常
に特徴ある言い方である。

18、137-144節

題:「主のさとし、御教えは正しくまことである。」

特徴のある言い方:熱心、練られている

特徴コメント:詩人の主に対する熱心は変わらず、それによって詩人は滅ぼされたと
いっている。しかし、詩人にとって、どんなときにあっても神のさとしは喜びであ
る。

19、145-152節

題:「神は私に答えられ、近くにおられると私は知っている」

特徴のある言い方:夜明け前

特徴コメント:この段落は最初主に答えを求める。そして、次に悪を追い求めるもの
についていって、そのあと主は近くにおられるというように最初答えを求めていたが
最後聞かれたというようになっている。

20、153-160節

題:「悪者どもは主から離れるが私は離れない」

特徴のある言い方:特にない(この前の段落に出てきた言葉が多い)

特徴コメント:ここの段落はこの前の段落とつながりがある。それは150節と15
5節で、悪者どもは最初神の御教えから離れていた。しかし、そのことによって本当
の救いから離れることになった。

21、161-168節

題:「私はあなたの御教えを愛する」

特徴のある言い方:君主ら、大きな獲物、平和

特徴コメント:ここではこの前以上に神の御教えを愛するということが強調されてい
て、詩人は日に七度主をほめたたえている。

22、169-176節

題:「私が主を恐れ、愛し、ほめ歌うようにしてください」

特徴のある言い方:御前に近づくように、滅びる羊のように迷いでた

特徴コメント:この最後の段落は気が付いたことの中でもいったがまとめのようであ
る。詩人は滅びる羊のように迷い出た、しかし、そのようなときでも詩人は主の仰せ
を忘れず、神に信頼する。

問い
・義の裁きを守るとはどういう意味か?
・108節の口の進んで捧げる捧げものとは?祈り?それとも賛美のことか?
・108節の主の裁きを知るということはどういう意味?
・130節の御言葉の戸とは何か?
・152節の主のあかしとは?

気が付いたこと
・段落一つで言っていることは大体 1、詩人について(詩人は主の御教えを愛して
いる) 
                       2、他の人々、悪者、主を恐れる
ものなどについて
の二つの組み合わせである。また、その二つの対比が出てくることも少なくない。
・最後の方の段落になっていくほど前の段落に出てきた言葉、言い方、テーマなどが
出てくるようになってきて、だんだん最初に書かれていたものがまとまっていくよう
になっている。
・この詩篇の中にはソロモンのかいた箴言、雅歌に似ているところが多い。

以上です。
よろしくお願いします。

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Kento Aoki
kento@arkios.co.jp
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