Subject: 詩篇137篇 研究のための下ごしらえ(ケイヤ) |
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Date: 2003/05/26 11:40 |
To: <saiwainet@egroups.co.jp> |
こんにちは、+Keiya Kannoです。
●テーマ
・思い出す、忘れる
●構造1
A 1 バビロンで補囚されて泣く
B 2-4 「シオンの歌を一つ歌え」とばかにされた
X 5-6 エルサレムを覚えよ
B 7 「破壊せよ、破壊せよ、」
A 8-9 バビロンへのさばき
●構造1の説明
少々、無理がありますが、キアスマスにしました。
目立ったのは敵が「シオンの歌を歌え」と言ったのと、「破壊せよ」と言った3節と7
節である。これらの所で敵はばかにしている。
●構造2
1-4 バビロンで泣いているのに、敵は歌えと言う
5-6 エルサレムを忘れない
7-9 敵をさばいてください
●構造2の説明
この詩篇を内容で見ると単純に3つに分けることができる。そしてそれぞれの段落に
「思い出す」という言い方がある。
1-4ではシオンのことを思い出して泣いているのに、敵はそのことをばかにして、神
を賛美する歌を歌うようにと言う。
5-6で詩人はエルサレムに関して誓っている。彼はもし、かれがエルサレムのことを
忘れ、賛美しなかったら、自分がさばかれてもよいと言う。
7-9で詩人は主に願い、敵の行いを思い出してくれるように言って、敵に対する恐ろ
しいさばき、復讐を求める。
●問い
・なぜ、この詩篇は詩篇の中の137番目にあるのか?なぜ、都上り、バビロンから
帰ってきた詩篇のあと、ダビデの賛美の前でこのことを歌うのか?
●気が付いたこと
・この詩篇でとても興味深いのは「主」という言い方が2回しか使われていなく、主
がどのような御方であるかという告白がなく、主語が「主」であるとは直接見えない
というところである。
・ヘブル語では1節と8節の「バビロン」は創世記11章にでてくる「バベル」と同じで
ある。
・5節の「その巧みさ」というのは翻訳時の補足で、原文にはない。
・7節に関連している箇所が預言書の中にある。
・8節の「荒れ果てた者」は「荒らす者」と訳すことはできる。
・8, 9節で求めていることは恐ろしいことであるが、8節を見ると分かるようにバビ
ロン補囚の時は敵も同じことをしたので、それに対する復讐を求めている。
・8, 9節の「なんと幸いなことよ」という言い方は、詩篇1篇などにでてくる「幸い
なるかな」という言い方とは違う。
●研究課題
・7節の関連箇所を見る
・5節の3行目の訳を調べて、意味を考える
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+Keiya@Kanno Family
E-mail: keiya@kanno.com
May God Bless You!
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