Subject:
詩篇10篇
From:
伊藤 由美 <yumimama@bmmn.bias.ne.jp>
Date:
2003/11/25 9:58
To:
saiwainet@egroups.co.jp

伊藤由美です
詩篇10篇の構造と問いを送ります。


[構造]
1 神が離れている
 2-6 悪者の偽り、侮り
  7-10 悪者が貧しい者にもたらす害毒、悪者の信仰告白

12 神が裁く(立ち上がる、御手)、貧しい(へりくだる)者を覚える
 13 悪者の侮り、偽り
  14 神は7-10をご覧になっていた、貧しい者の神への信頼(信仰告白)
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15-16 主は王、悪者を消す
 17-18 主は貧しい者を覚える(悪を裁いて)

[気がついたこと]
・悩む人、罪のない人、不幸な人、貧しい者、しいたげられた者等の言葉の関連
・3節の「のろい」はヘブル語では祝福である、祝福しながら侮るというところから「偽善」を連想する
・8節の「待ち伏せする」はカインを思い出す

[考察]
・10篇と9篇との関連を考えるなら、
1-14節は神がどのように貧しい者を覚えるのかという話の続きのように思われる。
(悪者の貧しい者への攻撃と、神がそれに対してどのように答えるのかという様子)
・15-18節は、9篇と10篇の全体の結論的なもの、あるいは、9篇の前半に対応するものとして
主が「王」(9篇では「王座」)であって、悪を消し去る(裁く)ことによって、
どれほど貧しい者をあわれみ、強めて下さるのかを述べているように思われる。
・10篇の前半における悪者の信仰告白(4節、6節、11節)と
へりくだる者の神への信頼(14節、17,18節)の対比が面白い。